1. 内ゲバ事件

内ゲバ事件に関連する記事

2018年05月10日 (木曜日)

心の自由を規制する誤り、ゴールは全体主義、セクハラ報道からヘイトスピーチまで、深刻な社会病理

このところメディアで盛んに報じられている問題のひとつに、セクハラがある。TBSの元記者からレイプされたとする伊藤詩織氏による内部告発が引き金となり、レイプの域を超えて、それよりもハードルが低く材料が多いセクハラが問題視されるようになったのだ。

と、いうよりもかなり前から蔓延していた実態を、メディアがようやくクローズアップしたために、女性に対する人権侵害事件が近年急増しているような、イメージが広がったと言ったほうが適切かも知れない。

伊藤氏の事件について、ジャーナリスト・片岡健氏が興味深い指摘をしている。

伊藤氏が山口敬之氏を相手取って東京地裁に起こした民事訴訟について、その記録を「取材目的」で閲覧していた者は今年1月の段階でわずか3人だった。■出典

主要なメディアは豊富な人員がいながら、正確な裏付け調査を行わないまま、報道してきたということである。

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2018年05月04日 (金曜日)

反差別運動に参加している極右は本当に存在するのだろうか? 「差別撤廃 東京大行進」の動画の分析が不可欠

M君リンチ事件の続報である。独自にこの事件を取材している。その中で正確に確認しておかなければならない事柄がいくつかある。たとえば、「しばき隊」の現在である。

この事件に詳しい方は、恐らくこうした初歩的な情報は把握しておられると思うが、メディア黒書の読者には、なるべく筆者が自分で確認した情報を届けたいと考えている。

「しばき隊」の現在はどうなっているのか?既に出版されている記事などでは、「しばき隊」の現在は、「C.R.A.C」という組織とされる。「C.R.A.C」は、Counter-Racist Action Collectiveの略である。

はからずも筆者は、C.R.A.Cによる次のようなツィートを発見した。(注:太字は黒薮)

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2018年05月02日 (水曜日)

立憲民主党の有田芳生議員は、「釘バット」の製造・使用を禁止する法案を準備すべきだ、現地調査の成果を生かせ

インターネット上にある左の写真。(■出典)これは「釘バット」と呼ばれているらしい。野球選手にこの写真を見せたところ、

「こんなものは野球では使わない」

と、言われた。

「野球部の体罰用に作られたのではないですか」

「こんなバットは野球人に対する侮辱だよ。何に使うのか知らないが」

「人をしばく時に使うと聞いています」

「とにかく野球とは関係ない」

野球愛好家にとっては、嫌悪を催すものなのだ。

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2018年04月30日 (月曜日)

李信恵氏が鹿砦社を反訴、『カウンターと暴力の原理』など4冊の書籍の販売禁止などを求める、誰が言論出版の自由を殺すのか?

李信恵氏(文筆業)が、16日付けで、鹿砦社に対し、同事件を記録した『カウンターと暴力の原理』など4冊の書籍の販売禁止や550万円の損害賠償などを求める裁判を大阪地裁に提起した。

発端は、2017年9月に、鹿砦社が李氏に対して、ツイッターなどで名誉を毀損されたとして、300万円と謝罪広告などを求める裁判である。今回の李氏による提訴は、それに対する反訴である。代理人は上瀧浩子弁護士と、自由法曹団常任幹事で元「しばき隊」の隊員の神原元弁護士である。

神原元弁護士には、『ヘイトスピーチに抗する人々』(新日本出版社)というタイトルの著書があり、在日韓国人に対する反差別運動にもかかわっている。また、植村隆氏が櫻井よしこ氏を訴えた裁判では事務局長を務めている。

 

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2018年04月25日 (水曜日)

写真が露呈した民族差別反対「市民運動」のでたらめぶり、立憲民主・有田芳生の写真も確認、国際感覚の欠落か?

「レイシストしばき隊」という言葉で写真をインターネット検索してみると、好奇心を刺激する写真が次々と現れる。もちろんインターネット検索で表示された写真の中には、検索のキーワードとは、直接関係のないものも含まれるので、表示された全写真が「レイシストしばき隊」を撮影したものとは限らないが、少なくとも広義のカウンターグループを撮影したものだと推測できるものが複数含まれている。

筆者は、写真を見ながら、ある種の怒りに駆られた。このようなカウンター運動が国際的にどのような評価を受けるのか、心配にもなる。

一枚の写真を紹介しよう。このページの左上、あるいは次ページの冒頭の写真である

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2018年04月24日 (火曜日)

検察が在特会元幹部を名誉毀損で在宅起訴、人間の内心を法律で規制する危険性、ヘイトスピーチを逆手に取った言論規制の強化

共同通信が、4月23日付けで、「ヘイトに名誉毀損罪初適用」「在特会元幹部を在宅起訴」と題する記事を掲載している。短い記事なので、まず、全文を掲載しよう。

拡声器を使って朝鮮学校の社会的な評価をおとしめる発言をしたとして、京都地検が名誉毀損罪で、在日特権を許さない市民の会(在特会)の西村斉元幹部(49)=京都市右京区=を在宅起訴していたことが23日、分かった。20日付。

 学校側の弁護団によると、ヘイトスピーチ(憎悪表現)を巡る刑事事件で名誉毀損罪が適用されるのは初。

 京都朝鮮学園が昨年6月、西村被告の発言はヘイトスピーチにあたるとして京都府警に告訴、その後地検が任意で捜査していた。■出典

起訴の理由は、名誉毀損である。しかも、民事ではなく刑事事件である。

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2018年04月20日 (金曜日)

「しばき現場」の録音からテレ朝「セクハラ現場」録音まで、 録音記録に基づかない主張、被害者が逆に冤罪捏造者にでっちあげられる危険性

財務省の福田事務次官が、辞任後もセクハラを否定し続けている。この事件の有力な根拠になっているのは、セクハラ現場の録音記録である。録音がなければ、記事にはならなかったはずだ。福田氏が名誉毀損の裁判を起こした場合、セクハラがあったことを立証しなければならないのは、被告(おそらくは新潮社とテレ朝の記者)の側になるからだ。

この事件に象徴的に見られるように、最近、明らかな事実を公然と否定する人々が増えている。その典型は、改めていうまでもなく、ナチによるガス室はなかったとか、南京大虐殺はなかったなどという暴言である。

広義のしばき隊事件(M君リンチ事件)でも、事実を捏造する動きがある。

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2018年04月09日 (月曜日)

神原元・自由法曹団常任幹事のツィートを検証する、広義の「しばき隊事件」にみる社会病理

広義の「しばき隊」事件とは、差別と闘っているグループの中で、2014年12月、内ゲバがあったとされる件である。メディア黒書でおもに書評のかたちで何度か取りあげたが、その中で浮上してきたのが、客観的な事実は何かという重い問である。

客観的な事実を誤って把握し、それを前提に議論しても意味はない。たとえば南京事件がなかったという誤った歴史認識に立って旧日本軍の戦争犯罪を語っても、議論は噛み合わない。

広義の「しばき隊」事件でも、類似した思考の混乱が見うけられる。事件を起こした人々も認めているように、Mさんに対する暴行は客観的な事実である。Mさんが暴行を受けた際の音声も克明に残っている。それは極めてジャーナリズム(記録)性が高い貴重な記録だ。(次ページの動画参考)

ところが酒場から、突然、次のようなツィートが投稿されたりする。

 「しばき隊リンチ事件」「主水事件」「M君事件」等と称された事件に判決が下りた。結論は、共謀なし。李信恵さんの責任はなし。一部に誤った認定はあったが、原告のストーリーは全て否定された。「しばき隊がリンチ事件を起こした」等とデマに踊った人々は猛省すべきである。今後、誹謗中傷は許さない出典

これは神原元弁護士(自由法曹団常任幹事、しばき隊の元隊員、『ヘイトスピーチに抗する人々』[新日本出版社]の著者)のツィートである。3月19日の夜、酒場から移動通信機器で、軽々しく発せられたものと思われる。

この日の午後、大阪地裁である裁判の判決が下された。Mさんが暴行の加害者と、それを傍観した者を被告として提訴した損害賠償裁判の判決である。この裁判の被告は、5人。このうち神原弁護士は、2人の被告の代理人を務めた。李信恵氏と伊藤大介氏である。

このうち李氏に対する損害賠償請求は棄却された。ただし、次の事実は認定された。

被告普鉉が原告を迎えに出て、同月17日午前2時頃、原告及び被告普鉉が本件店舗内に入ったところ、出入口に最も近い席に坐っていた被告信恵が、原告に対して「なんやのお前」などと言いながら、原告に詰め寄り、その胸倉をつかんだ。これに対し、被告普鉉が、直ちに「まあまあまあ、リンダさん、ごめんな。」と言い、被告金も「店やし、店やし。」などと言いながら、被告信恵を制止して、原告から引き離した。

一方、伊藤氏に対しては、次のような判決が下った。

被告金及び被告伊藤は、原告に対して、各自79万9740円及びこれに対する平成26年12月17日から支払済みまで年5分の割合による金員を払え。

 

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2018年03月27日 (火曜日)

広義の「しばき隊事件」の大阪地裁判決が認定した事実、暴力は客観的な事実

広義の「しばき隊」事件。差別と闘っているグループの中で、2014年12月、集団暴力があったとされる事件である。被害者のMさんが、刑事処分のあと、民事裁判で損害賠償を求めた裁判の判決が、19日に大阪地裁で下された。現場にいた5人のうち、3人に対して損害賠償命令が下された。

この裁判は客観的にみれば原告の勝訴である。しかし、原告・被告とも判決内容には不服があるようだ。双方が控訴することはまず、まちがいない。

ところでメディア黒書で既報したように、判決が下った19日の夜、被告の李信恵氏の代理人を務めている神原元弁護士(自由法曹団常任幹事)が、次のようなツィートを投稿した。

「しばき隊リンチ事件」「主水事件」「M君事件」等と称された事件に判決が下りた。結論は、共謀なし。李信恵さんの責任はなし。一部に誤った認定はあったが、原告のストーリーは全て否定された。「しばき隊がリンチ事件を起こした」等とデマに踊った人々は猛省すべきである。今後、誹謗中傷は許さない

ツィートの出典

神原弁護士は、「原告のストーリーは全て否定された」と述べている。わたしは真意を確かめるために、同弁護士に取材を申し入れたが、現時点では返事がない。わたしが、「原告のストーリーは全て否定された」という記述に違和感を感じたのは、判決の中で裁判所が認定した事実を確認したところ、暴行の事実が複数認定されていたからだ。

神原弁護士は、「李信恵さんの責任はなし」と述べているが、判決文の事実認定は次のようになっている。Mさんが事件の現場となった居酒屋に到着した直後の状況である。

(ア)被告普鉉が原告を迎えに出て、同月17日午前2時頃、原告及び被告普鉉が本件店舗内に入ったところ、出入口に最も近い席に坐っていた被告信恵が、原告に対して「なんやのお前」などと言いながら、原告に詰め寄り、その胸倉をつかんだ。これに対し、被告普鉉が、直ちに「まあまあまあ、リンダさん、ごめんな。」と言い、被告金も「店やし、店やし。」などと言いながら、被告信恵を制止して、原告から引き離した。

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2018年03月09日 (金曜日)

BPOが「ニュース女子」に名誉毀損の勧告、「のりこえねっと(辛淑玉共同代表)」と「しばき隊」のグレーな関係

BPO(放送倫理・番組向上機構)の放送人権委員会が8日、TOKYO-MX放送が1月2日と9日に放送した「ニュース女子」に対して、「名誉を毀損した」とする勧告を公表した。この番組は沖縄の基地問題をテーマとした放送内容で、「米軍ヘリパッド建設に反対する人たちを『テロリスト』と表現したり、『日当をもらっている』『組織に雇用されている』などと伝えたりした。また、日当については『のりこえねっと』が払っていると指摘した」ものである。

出典:「ネットのデマを社会に拡散した」 ニュース女子で「人権侵害」の団体が見解

BPOへ申し立てを行っていたのは、「のりこえねっと」の辛淑玉共同代表である。辛氏が個人的に申し立てたのか、それとも共同代表のメンバーと協議して申し立てたのかは不明だが、「のりこえねっと」が批判の対象になった番組をBPOの審判にかけたのだから、内部で事前の協議があったと見るのが妥当だろう。ちなみに、共同代表は次の方々である。

「のりこえねっと」共同代表一覧

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