1. 大手広告代理店

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2017年02月01日 (水曜日)

文部科学省、“どんぶり勘定”で国家予算を博報堂へ支出、800万円の仕事と8000万円の仕事の違いに疑問

文部科学省が博報堂に依頼した「学校と地域の新たな協働体制の構築のための実証研究」と題するプロジェクトの成果物を開示した。

結論を先に言えば、成果物は、次のウエブサイトと、4枚の成果報告書だけである。

■ウエブサイト

■成果報告書

成果報告書の肝心な部分、たとえば「実証研究組織の構成」は黒塗りになっている。黒塗りにしなければならない程の情報とはとても思えないのだが。おそらく黒塗りの「クセ」が身に付いているのだろう。

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2017年01月30日 (月曜日)

ウエブサイト9ページに2100万円を支出、国家公務員と博報堂の異常な金銭感覚、背任・詐欺の疑いも?

文部科学省と博報堂が交わした「日本人の海外留学促進事業」(平成27年6月9日)」の実施報告書を入手した。中味を精査したところ、たった9ページのウエブサイトに、2100万円が国家予算から支出されていることが分かった。

■博報堂が2100万円を請求したウエブサイト9ページの実物

「日本人の海外留学促進事業」は、日本人の海外留学を促進するためのPR事業である。文部科学省は、2015年6月に、博報堂にこの事業を依頼した。契約額は、80,044,000円。契約者は、高等教育局長の吉田大輔氏である。

両者が交わした契約書と請求書を情報公開請求したところ、肝心の資金の内訳が完全に黒塗りになっていた。国家予算がどう使われたのか、まったく検証できない状態だった。

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2017年01月30日 (月曜日)

JOCと電通は、「五輪ボランティア搾取」を止めよ

執筆者:本間龍(作家)

先週26日の日刊スポーツに、気になる記事があった。2020年東京五輪組織委の武藤敏郎事務総長が、大会ボランティアの募集を競技会場がある地方自治体にも協力要請する考えを示したというのだ。多くの会場が都外に移転した(自転車のトラック競技は静岡県伊豆市、サーフィンは千葉県一宮町等)ため、組織委で募集する大会ボランティア約8万人と、都が募集する都市ボランティア約1万人の枠組みだけでは対応しきれないとの理由なのだが、分かっていたこととはいえ、いよいよ「オリンピックをダシにした、ただ働きボランティア集め」が地方にまで波及してきた感じだ。

私は1月13日掲載の拙稿『「共謀罪とセットになった東京五輪」は辞退しかない』で、過去に例のない数のスポンサーを集めている東京五輪は資金潤沢なのだから、ボランティアは有償にすべきだと書いたが、今回は再度詳細に検証したい。

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2017年01月27日 (金曜日)

内閣府の構想費「6700万円」は不自然すぎる、博報堂事件

2015年度(平成27)に内閣府と博報堂の間で交わされたPR業務の契約金6700万円の内訳が不明になっている。内閣府は、「構想費」と説明しているが、請求書も存在しなければ、成果物もほとんど残っていない。このような不透明な資金が、国家予算から、支出されている事実を広告の専門家は、どう見ているのだろか。元博報堂の社員で作家の本間龍氏に執筆をお願いした。

執筆者:本間龍(作家)

このところ黒薮氏が博報堂と官庁の一連の疑惑を追及しているが、その中でも特に怪しいというか、ありえないレベルの話が内閣府と博報堂の平成27年度の「政府広報ブランドコンセプトに基づく個別広報テーマの広報実施業務等」の契約書とそれにともなう請求の6700万円という案件だ。この金額を含め、博報堂は新聞出稿費などで総計約25億円の支払いを受けている。そもそも年初当初の6700万円という見込みがなぜ期末になると25億円になるのかも全く理解できないが、今回は大元の6700万円が広告業界でもいかにあり得ないものか、解説していく。

内閣府は黒藪氏の質問に対し、この6700万円は様々な広告展開を企画するための「構想費」であり、連日博報堂の担当が来庁し、構想立案のために博報堂側からアドバイスを受けていた「打ち合わせ費用」だと回答した。

これには私も仰天した。具体的な広告出稿やイベント実施を含まない、ただの打ち合わせによる「構想費」でそんな高額が発生するなど聞いたこともないし、絶対に有り得ないからだ。しかも、今どき単にディスカッションしていた程度で6700万円も支払ってくれるとしたら、それこそ内閣府とはなんといい加減な官庁なのか、と問題になる話だろう。

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2017年01月25日 (水曜日)

徹底した調査が不可欠、元内閣府・阪本和道審議官の博報堂への天下り、博報堂への支払いはプロジェクト落札価格17億円を8億円超過、25億円に

内閣府でも天下りが明らかになっている。内閣府のナンバー2の要職にあった阪本和道元審議官が博報堂に再就職した問題である。博報堂が阪本氏を受け入れた背景は・・・。

『毎日新聞』(1月24日付け)の報道によると、「松野博一文部科学相は24日の閣議後記者会見で、組織的な天下りのあっせん問題を調べる大臣直轄の調査チームを設置したと発表した」という。

■<天下り>調査チーム設置 違法疑い28件中心に 文科省

天下りはかねてから汚職の温床として問題になってきたが、放置されてきたのが実態だ。天下りを受け入れているある広告代理店のOBは、次のように話す。

「天下りした者は、再就職先へ省庁の仕事を持っていくのが常識中の常識です。さもなければ、高い報酬を払って老人を再雇用するメリットはありません」

改めていうまでもなく、天下りの実態を調査する必要があるのは、文部科学省だけではない。内閣府も調査すべきだろう。

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2017年01月23日 (月曜日)

電通、高橋まつりさん遺族と和解の陰で、下請け企業に過重労働のしわ寄せが発生中

執筆者:本間龍(作家)

1月20日、電通は自殺した高橋まつりさんの母親との和解文書に調印し、高橋さんの死因が過労死だったと正式に認めて謝罪した。電通は18項目にわたる合意文書を作成、和解金を支払い、毎年12月1日には遺族に報告することも約した。過労死を巡る合意内容としては、前例がないほど被害者遺族に配慮した内容となった。

だがもちろん、この合意は電通が自発的に行ったものではない。交渉は昨年2月から始まっていたのに、電通側が高橋さんの自殺は恋愛問題のこじれであると主張して謝罪を拒否したため、和解できなかった。それが10月の過労死認定発表を機に世論の袋だたきに会い、官邸や厚労省の徹底追及による刑事事件化で、仕方なく合意を結んだというのが実情だ。経営陣の初動の間違いが引き起こした影響はあまりにも甚大だった。

実際、先月28日には労働局によって会社としての電通と高橋さんの上司が書類送検されたが、捜査は7000人の社員全員の労働時間を1年間に渡って精査するなどまだ続いており、送検される者がさらに増えると予想されている。

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2017年01月23日 (月曜日)

内閣府から請け負った博報堂の業務、契約書の仕様と乖離した業務内容で高額請求

省庁と博報堂の取り引きの実態を調査する中で、契約書の内容と実際の業務が乖離していることが分かった。それは「成果物」の検証で判明する。

たとえばウエブサイトの構築を500万円で制作する契約を結んだとする。この場合、成果物の検証とは、制作者が完成させたウエブサイトが契約書の仕様どうりに作成されたかどうかという点である。

しかし、その成果物には非常に曖昧な要素がある。ひとつの例を挙げて説明しよう。

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2017年01月20日 (金曜日)

JRAから滋賀県、そして・・・、ついに始まった「電通外し」、オリンピック業務への波及も必至

執筆者:本間龍(作家)

1月17日、JRA(中央競馬会)が電通を1ヶ月の業務指名停止処分にしたと発表、翌18日には滋賀県も3ヶ月の指名停止処分を発表した。遂に電通に対する行政上のペナルティーが顕在化し始めた。

私は一連の電通事件の行き着く先は電通に対する官民企業・団体による指名停止処分にあり、最終的に東京五輪関係業務にどう影響するかが最大の焦点であると指摘し、このメディア黒書でも繰り返し書いてきた。

労務管理問題に限れば指名停止要件になっていない場合が殆どだが、犯罪の内容に関わらず書類送検されれば指名停止処分を科す内規を持つ団体や行政が、いち早く動き出した格好だ。また19日には、厚労省が電通の全社員7000人余の出退勤データを2015年11月から昨年10月の1年間に渡って捜査していると報道された。

7000人という全社員の膨大なデータを1年間という長期に渡って調べるのは極めて異例であり、さらなる書類送検に向けての捜査が続行していることが確認されたのだ。今後も送検される者が出る可能性は高く、捜査の進展によっては行政だけでなく、民間企業においても指名停止が考えられる状況になってきた。

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2017年01月19日 (木曜日)

内閣府の新聞広告に関する取り引き形態、かつては単価契約だったことが判明

内閣府と広告代理店の契約形態は、どう変化したのだろうか? かつては契約書に則した手続を踏んでいたが、博報堂との取り引きが始まった後、疑惑だらけの現在の方式になったことが判明した。

内閣府と広告代理店の間で交わされている新聞の政府広告の契約書を検証する作業の一端として、古い契約書の形態を調べたところ、かなり前から請求額を後付けで増やせる構図になっていることが分かった。これは内閣府の裁量により、広告代理店を通じて新聞社に支払う「広告掲載料」を、自由にコントロールできることを意味する。

あえて広告出稿についての年間計画を公表することもなく、内閣府の裁量に委ねることで、新聞社を飼い慣らすための有力な道具としても機能する。

たとえば平成20年(2008年)4月1日に内閣府と電通の間で交わされた契約書を見てみよう。

契約書の最大の特徴は、契約額が単価で表示されていることである。このケースでは、1段当たりの契約額が約200万円(1,995,000円)となっている。契約期間は、「平成20年4月1日から平成21年3月31日」。

つまり契約期間の1年間に限定して、1段当たり200万円の広告を出稿するという契約である。段数の総数は、広告のスペースや掲載頻度によって異なってくる。出稿数が多ければ、広告代理店と新聞社の収入も、それに連動して増えていく仕組みになっている。

この方式の下では、あらかじめ出稿する広告のプランが示されていないわけだから、内閣府の裁量により、メディア側に流れ込む広告収入が大きく左右される。メディアコントロールの手口という観点からすれば、問題がある制度だが、しかし、法的な汚点はない。

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2017年01月18日 (水曜日)

否定できぬ博報堂による視聴率の改ざん、本来あり得ない放送確認書の代筆、アスカ問題(2) 様々な疑惑のデパート

 博報堂とアスカコーポレーションの係争のなかで、最も注目を集めているのが、テレビ視聴率の改ざん問題と、博報堂が放送確認書を代筆していた問題である。前者について言えば博報堂は、担当者が「番組提供枠購入のための指標として、視聴率データを取得するために、当時最適と思われる条件を設定してデータを入手した」と主張している。

また、後者については、放送局側が放送確認書を発行しない取り扱いとなっていたために、博報堂みずからが代筆したと主張している。これらの争点について、元博報堂の営業マン・作家の本間龍氏はどう考えているのだろうか。

執筆者:本間龍(作家)

昨年12月22日付けの記事で(株)アスカと博報堂の媒体費関連訴訟について検証した。これらは制作関係費の訴訟(約15億円)とは別に、総額で約42億円にもなる巨額訴訟であり、博報堂がこれだけ巨額の訴訟を起こされた例は、かつてないと思われる。内容的には

A)視聴率偽装による不正請求
B)放送しなかった番組、CMの不正請求

に大別され、主に(A)について22日付け記事で検証した。スポンサー番組選定のために提出していた視聴率の多くが改ざんされていたというもので、かなり明確な証拠が残っている。この部分に関しても少々補足しておきたい。

弁護士が確認した数字(ビデオリサーチ社提出)を元にした視聴率偽装の告発に対し、博報堂側は答弁書で、『担当者は番組提供枠購入のための指標として、視聴率データを取得するために、当時最適と思われる条件を設定してデータを入手した』と主張している。しかし博報堂の営業が得意先に提出する番組視聴率は、ビデオリサーチ社から提供された数字を加工せずそのまま提出するだけであるから、この記述は明らかにおかしい。

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2017年01月16日 (月曜日)

総務省の国勢調査に関する新聞広告で博報堂に間引き疑惑、契約書では述べ25回の掲載、博報堂の回答は述べ12回

メディア黒書では、博報堂と内閣府の取り引き疑惑に焦点を当ててきたが、実は他の省庁でも、検証しなければならない問題が浮上している。

そのうちのひとつが総務省が2015年4月1日に博報堂に発注した「国勢調査の広報に関する総合企画」である。契約額は6億円。大型のプロジェクトである。

これは国勢調査への国民の協力を呼びかけるPR業務で、ラジオスポットCM、新聞広告、交通広告、インターネット広告など、かなり多岐の分野に渡っている。

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2017年01月13日 (金曜日)

内閣府から博報堂が請け負った「自動走行システム」に関する調査、総額は約6200万円、明細はすべて黒塗り

内閣府が博報堂と交わした「戦略的イノベーション創造プログラム」の契約書と業務計画書を入手した。しかし、業務計画書の肝心な部分、「委託業務経費の内訳」の詳細は黒塗りで隠されていて、総額が約6200万円ということ以外は、「税金」がどう使われたのか全く分からない。

「戦略的イノベーション創造プログラム」の内容は、「自動走行システムの実現に向けた諸課題とその解決の方向性に関する調査・検討における自動走行システムにおける国際協調活動の推進に係わる調査検討」(ママ)というものである。

意味不明瞭な文章で、具体的な業務内容がよく分からない。

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2017年01月13日 (金曜日)

「共謀罪とセットになった東京五輪」は辞退しかない

執筆者:本間龍(作家)

かつて昭和の人気者を指す「巨人・大鵬・卵焼き」というフレーズが流行ったことがあったが、これからは嫌われ者を指す言葉として「五輪・電通・共謀罪」を使うようにしてはどうか。

安倍首相は10日、共同通信社とのインタビューで「(共謀罪を)成立させなければ、テロ対策で各国と連携する国際組織犯罪防止条約が締結されず2020年東京五輪・パラリンピックが開催できない」と語ったと報道されたが、さすがにこれには驚いた人が多いようだ。

なにせ安倍本人が五輪誘致の際に「東京は世界でもっとも安全な都市です」と大見得を切っていたのだし、その後も共謀罪の必要なんぞにはひと言も触れていなかったのだから、何をいまさら「成立しなければ開催できない」などと言うのか、さすがに「息をするように嘘をつく」男の面目躍如である。

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