1. 「押し紙」の実態

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2017年07月31日 (月曜日)

【動画】「もったいないキャンペーン」の毎日新聞、自らの足下「押し紙」回収現場を撮影される、池上彰氏ら「開かれた新聞委員会」は「押し紙」問題に沈黙

このところ「押し紙」回収の現場がビデオで秘密裏に撮影されるケースが増えている。これは「押し紙」問題が一般市民の間に浸透してきた証にほかならない。インターネット上に、毎日新聞の「押し紙」回収を撮影した画像がアップされている。

メディア黒書で既報したように、毎日新聞の部数は、4月から5月にかけて約4万6000部減っている。このペースで減部数を続けると、年間で約55万部減ることになる。

かつて同社は、「もったいないキャンペーン」を展開しており、「押し紙」問題との矛盾を指摘されてきた。

【参考記事】いよいよ危ない毎日新聞、ひと月で4万6000部減、試算で年間55万部減、産経は1,2年で倒産の危機、5月のABC部数

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2017年07月11日 (火曜日)

いよいよ危ない毎日新聞、ひと月で4万6000部減、試算で年間55万部減、産経は1,2年で倒産の危機、5月のABC部数

2017年5月度のABC部数が明らかになった。それによると、朝日新聞が前年同月比で約32万部の減部数、読売新聞が約20万部の減部数となった。朝日・読売の2大紙の低落傾向にはまったく歯止めがかかっていない。

一方、ゆるやかな没落傾向にあった毎日新聞と産経新聞も、ここひと月で大きく部数を減らしている。前月比で、毎日は約4万6000部を減らし、産経は約7万4000部を減らした。この数字を12倍して1年に試算すると、それぞれ55万2000部の減、88万8000部の減ということになる。両社の経営規模からすれば、極めて深刻な実態といえるだろう。

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2017年06月14日 (水曜日)

読売の部数は3年半で約110万部減、朝日は130万部、京都新聞社5社分の部数に匹敵、読売に懸念される加計学園事件の影響

4月のABC部数(新聞各社の公称部数)が明らかになった。新聞の凋落傾向には依然として歯止めがかかっていない。

この1年間で、読売は約19万部を減らした。ただし、この数字は「政府広報」の汚名をきせられる前の数字である。この件とは関係がない。

朝日は約36万部を減らした。朝日の方が読売よりも、部数減が激しいことを示している。

中央紙5紙のABC部数は次の通りである。()内は前年同月比である。

朝日:6,243,218(-363,344)
毎日:3,050,253( -65,179)
読売:8,811,732(-187,057)
日経:2,716,463( -14,309)
産経:1,594,855( -38,972)

全国の地方紙のABC部数は次の通りである。

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2017年05月30日 (火曜日)

日本ジャーナリスト会議(JCJ)が「押し紙」問題で黒薮にインタビュー

日本ジャーナリスト会議(JCJ)の機関誌(5月25日付け)に、筆者に対するインタビューが掲載されている。タイトルは、「『押し紙』国会で35年ぶりに議論」。

「押し紙」をめぐる最近の動きについて、質問に答えたものである。経済産業省や公正取引委員会が、凄まじい「押し紙」の実態を知りながら、それを放置することで、メディアコントロールに利用していることなどを説明している。

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2017年05月17日 (水曜日)

ドイツ通信社が「押し紙」問題の英文記事を世界に配信、日本の新聞ジャーナリズムとの温度差が顕著に

ドイツ通信社が「押し紙」問題の英文記事を配信した。英文記者・神林毅彦氏の執筆である。

■ドイツ通信の配信記事

内容は3月30日に共産党の清水忠史議員が、衆議院の消費者問題特別委員会で行った「押し紙」についての質疑内容の紹介、マイニュースジャパンが暴露した朝日新聞の「押し紙」の実態、毎日新聞の「押し紙」を示す決定的な証拠資料「朝刊 発証数の推移」の紹介などである。

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2017年05月10日 (水曜日)

今月末に筆者(黒薮)の新刊『新聞の凋落と「押し紙」』が発売に

今月末に筆者(黒薮)の新刊『新聞の凋落と「押し紙」』(花伝社)が発売される。これは新聞をテーマとした7冊目の本である。

この本では、「押し紙」の最新情報を紹介した。
また、新しい2つのテーマを扱った。

まず、第一に「押し紙」の正しい定義である。現在は、「新聞社が販売店に強制的に買い取りを求める新聞」という定義が普及している。しかし、公正取引委員会の見解を歴史的に調べてみると、若干異なっていることが分かった。これは「押し紙」問題に取り組んできた江上武幸弁護士らの研究の功績である。

詳しくは新刊の中で説明しているが、結論を先に言えば、「押し紙」の正しい定義は、「新聞の実配部数に予備紙を加えた部数」を超える部数である。「新聞の実配部数に予備紙を加えた部数」が販売店経営にとって真に必要な部数であり、それを超える部数は、機械的に「押し紙」と認定するのが公正取引委員会の見解だ。

従って、これまで「押し紙」裁判の争点となってきた点、つまり新聞の買い取りを新聞社が強制したか否かで、「押し紙」の有無を判断する構図は間違っている。「新聞の実配部数に予備紙を加えた部数」が経営に必要な部数で、それを超えると理由のいかんによらず、すべて機械的に「押し紙」となる。

仮に公正取引委員会が正確な「押し紙」の定義を前面に押し出せば、「押し紙」問題にメスが入るはずだが、公正取引委員会にその気はないようだ。「押し紙」は独禁法違反であるから、それを逆手に取り、新聞社に対して「押し紙」で「メスを入れるぞ!」と恫喝すれば、簡単にメディアコントロールができるからだ。こうした構図の結果、新聞の多くが「政府広報」に変質している。

その意味で「押し紙」問題は、ジャーナリズムのあり方にかかわる問題なのだ。

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2017年05月05日 (金曜日)

東京新聞が共謀罪を批判的に報じられる理由、「押し紙」の汚点とメディアコントロールの関係は?

共謀罪の危険性を最も精力的に報じている一般紙は、おそらく東京新聞である。東京新聞は、高市早苗総務大臣(自民)と森ゆうこ参議院議員のマネーロンダリングの問題も大きく報じた。

なぜ、このような報道ができるのだろうか?

これはあくまで筆者の推測になるが、経営上の汚点がないからだと思われる。改めていうまでもなく、最大の経営上の汚点は、「押し紙」である。「押し紙」は独禁法に抵触するために、公正取引委員会や経済産業省は、その気になれば、「押し紙」を取り締まることができる。新聞社を生かすことも殺すことも簡単に出来る。さじ加減ひとつなのだ。

「押し紙」で新聞社がいかに莫大な利益を上げているかを示す例を示そう。

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2017年04月15日 (土曜日)

世耕弘成・経産大臣が「日本新聞販売協会から相談があれば、残紙調査をする」と約束、共産党・清水忠史議員の「押し紙」問題の国会質問

共産党の清水忠史議員が、14日の衆議院経済産業委員会で「押し紙」問題を取り上げた。これは3月30日の消費者問題特別委員会での質問に続く、2回目の質問である。

■清水議員の質問動画(3:15:30秒から)

14日の質問で、清水議員は経産省に対して「押し紙」の実態調査をするように提案した。竹内審議官は、次のように回答した。

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2017年04月14日 (金曜日)

共産党の清水忠史議員が2回目の「押し紙」問題の国会質問、経済産業委員会で

【臨時ニュース】

明日(4月14日)、共産党の清水忠史議員が衆議院・経済産業委員会で、「押し紙」(残紙)問題を取りあげた。質問は、11時35分から25分。次のインターネット放送で視聴できる。

■インターネット中継(経済産業委員会)

清水議員は、3月30日にも、消費者問題特別委員会で「押し紙」(残紙)問題を取りあげた。

国会での「押し紙」(残紙)問題の追及は、35年前に瀬崎博義議員(共産)が行ったことがある。インターネットのない時代で、報道されることもなく、質問そのものが埋もれてしまったが、議事録には、読売新聞鶴舞直売所の店主が提供した内部資料(俗に「北田資料」)を使って、問題を明らかにした事実が記録されている。

 

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2017年04月12日 (水曜日)

「押し紙」裁判に販売店の勝算はあるのか?「押し紙」問題を密室で審理するケースが増、袋小路に追い込まれた新聞社

「裁判を起こしても、絶対に勝てないよ。そうなっているんだよ」

ある新聞社の担当員の暴言である。販売店主が録音したものだ。

販売店が「押し紙」裁判を起こした場合、勝算はあるのだろうか?これは、最近、筆者がよく質問される問いである。

結論を先に言えば、勝訴するのはたやすいことではないが、かつてのような裁判所の方針-新聞社に有利な判決を下す-はなくなっているようだ。その結果、和解により新聞社が販売店に対して一定の賠償をおこなう例が増えている。

筆者が把握している例でいえば、毎日新聞箕面販売所(提訴は2007年、推定で1500万円の和解金)、毎日新聞関町販売所(提訴は2009年、500万円)などの例がある。これらの裁判では、判決が下される前に和解になった。

その他にも、和解で解決した例、あるいは提訴に至る前に、トラブルを金銭解決して、「押し紙」や「折り込め詐欺」が表沙汰になるのを防いだ例が数多くある。

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2017年04月10日 (月曜日)

「押し紙」「積み紙」がひと月で500部 増えた店も、黒書が入手した内部資料を公開、折込広告の大量廃棄?

新聞の発行部数が激減を続けているにもかかわらず、個々の新聞販売店に対する搬入部数が大幅に増えているケースがあることが、メディア黒書へ送付されてきた内部資料で判明した。

次の資料は、新聞の「管理センター」が発行している2016年11月における販売店別の部数内訳の1ページである。新聞社名と販売店名を明かさないことを条件に、資料を公開する承諾を得た。

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2017年04月04日 (火曜日)

産経新聞の「押し紙」データを共産党へ提出、近々に公正取引委員会へも提出

産経新聞の店主から、筆者へ相談が寄せられた。
「押し紙」の受け入れを断ったところ、新聞の搬入部数は減らしてくれたものの、補助金を大幅にカットされた上に、担当員が自宅にまで押しかけてきて、「順路帳」の提出を求めたという。「順路帳」とは、新聞を配達するコースを示した地図である。

「順路帳」の提出は、販売店を強制的に廃業へ追い組む前段である場合が多い。「順路帳」がなければ、既存の販売店をつぶして、別に新しい販売店を設ける際に、読者の把握ができないからだ。そこで新聞社が強制廃業を計画すると、まず最初に「順路帳」の入手を試みる。

それが無理な場合は、新聞配達員を尾行して、新聞の配達先を突き止めたり、新聞協会の職員などを装って、購読紙調査などを行う。こうして新たに「順路帳」を作成してから、強制改廃を断行する。

産経の担当員が、店主の家族に「順路帳」の提出を求めて訪店した際、家族の方が筆者に電話で「SOS」を発信されたので、受話器から高圧的な担当員らしい声が聞こえてきた。その時、筆者はサラ金の取り立てを連想した。

筆者は、「順路帳」の閲覧は許可しても、コピーや持ち帰りは許可しないようにアドバイスした。その後の産経の対応についても、報告を受けているが、ここで公にすることは控える。しかし、記録はすべて残している。それは新聞社の裏面の記録にほかならない。産経を取材した上で公開することになるだろう。

この販売店の「押し紙」のデータは、共産党の国会議員に提出した。また、近々に元日販協理事の青木晃氏と一緒に、公正取引委員会にも提出する予定だ。

公正取引委員会の対応を注目したい。朝日新聞だけを取り締まり、産経新聞は放置するというのは許されない。「押し紙」の排除命令を発令すべきだ。

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2017年04月02日 (日曜日)

佐賀新聞・販売店が提起した仮処分申し立て事件、販売店が勝訴、実質的に佐賀新聞の「押し紙」政策を認定

佐賀地裁(森山由孝裁判官)は、3月29日、佐賀新聞のA販売店が申し立てていた地位保全と「押し紙」の中止を求める仮処分に対して、店側の主張を認める決定を下した。しかし、仮処分の有効期間については、2018年3月31日までの1年間とした。

経緯は次の通りである。

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