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横浜副流煙裁判は、煙草の煙で「受動喫煙症」になったとして隣人が隣人に対して約4500万円の損害賠償を請求した事件である。第1審も第2審も請求は棄却された。原告(控訴審では、控訴人)の敗訴だった。
裁判の勝訴を受けて、元被告の藤井将登さんは、裁判提起そのものを不当とする反スラップ訴訟を起こした。妻の敦子さんも原告になった。
この反スラップ訴訟の被告は、改めて言うまでもなく、前訴を提起したA家の3人(夫・妻・娘)である。さらに作田学・日本禁煙学会理事長を被告に加えた。と、いうのも前訴を提起するための有力な根拠になったのが、作田医師が3人のために交付した3通の診断書だったからだ。また、これらの診断書にさまざまな疑惑があったからだ。
作田医師は、問診により得た情報を重視するかたちで、3通の診断書を交付した。実際、診断書の所見で、副流煙の発生源が将登さんの煙草であり、それがA家3人の化学物質過敏症の原因であると事実摘示した。これはおそらく原告らの告発内容である可能性が高い。
作田医師が交付した診断書には、これ以外にもさまざまな問題がある。診断書を複写して私的に外部へ持ち出したり、原告弁護士に送付していた事実などである。ひとりの原告の診断書を2通交付(病名が異なる)した事実もある。
これらの疑惑が浮上しために、日赤も裁判に協力する姿勢を示している。裁判所からの命令を受けて、日赤は被告の問診表2通を開示した。その結果、被告のひとりがみずからの喫煙歴を作田医師に隠していたことが判明した。
ちなみに日本禁煙学会のウエブサイトには、「受動喫煙症」の病名を付した診断書を作成するためのひな型が掲載されている。
この裁判には、複数の医療関係者が強力する姿勢を示している。次に紹介する書面は、大阪府堺市の典子エンジェルクリニックで化学物質過敏症の外来を設けている舩越典子医師が裁判所へ提出した意見書である。この意見書の中で舩越医師は、診断書を交付する正常なプロセスを説明している。
また、医師の主観ではなく科学的な見地に立って診断する重要性を述べている。
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