2020年10月16日 (金曜日)

新聞協会が佐賀新聞販売店を表彰、新聞大会で贈賞、「押し紙」による独禁法違反にはふれず

日本新聞協会は、10月8日、今年の「地域貢献大賞」を佐賀新聞の販売店に贈ることを発表した。受賞の対象になったのは、佐賀県多久市の佐賀新聞・東多久販売店の宮口昭博店主である。「2011年の販売店開業を機に、住民とのふれあいの場をつくり地域を元気にしたいとの思いで『多久ちんどん芸能隊』を発足させ、地域活性化に取り組んでいる」というのが受賞理由である。

宮口店主は、10月の新聞週間に開かれる新聞大会で表彰される。

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2020年10月14日 (水曜日)

医学的根拠に乏しい日本禁煙学会の受動喫煙症・診断基準、藤井さんの支援者が論考を公表、横浜副流煙事件の闇

横浜副流煙裁判の控訴審判決(東京高裁)が、29日に下される。既報してきたように、第1審議の横浜地裁判決は、藤井将登さんの完全勝訴だった。そして最も注目すべき点は、判決の中で、作田学医師(日本禁煙学会理事長、一口坂クリニック)の医師法20条違反が認定されたことだった。

■事件の概要

医師法20条は、患者を診察せずに診断書を作成する行為を禁止している。最近は、診療については、初診を除き、インターネットによる遠隔診療も部分的に容認されているが、診断書作成については、従来どおり禁止されている。診断書は一種の証明書であるから、それを診察しないで作成することは、患者の病状を誤って公式記録する誤りに繋がりかねないからだ。

ちなみに医師法20条は、死亡診断書につても、患者を診察せずに交付する行為を禁止している。同様の理由による。

控訴審でも、裁判所が作田医師による医師法20条違反をどう判断するかが、最大の注目的になっている。

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2020年10月13日 (火曜日)

読売は740万部、年間で52万部減、朝日は490万部、43万部減、8月のABC部数、販売店の経営悪化と人手不足、外国人の技能研修生の雇用へ

2020年8月のABC部数が明らかになった。朝日新聞は500万部を割った。前年同月差は、-43万部である。

読売新聞は、約740万部。前年同月差は-52万部となった。

ブロック紙では、中日新聞の前年同月差が約-10万部となった。裁判所が独禁法違反を認定した佐賀新聞は-3700部である。

全国の主要な新聞社のABC部数は次の通りである。

朝日新聞:4,991,642 (-430,340)
毎日新聞:2,097,843 (-233,650)
読売新聞:7,423,536 (-521,601)
日経新聞:2,065,973 (-227,832)
産経新聞:1,243,536 (-118,311)

北海道新聞:907,718(-35,248)
河北新報:409,918(-17,107)
東京新聞:414,145(-18,056)
中日新聞:2,084,519(-104,371)

京都新聞:393,603(-24,725)
神戸新聞:450,064(-28,957)
山陽新聞:319,680(-25,635)
西日本新聞:493,395(-53,325)

佐賀新聞:121,829(-3,721)
熊本日日新聞:257,003(-10,169)

次に示すPDF資料は、全国の新聞社の部数一覧である。

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2020年10月08日 (木曜日)

12月1日に産経「押し紙」裁判の判決、裁判官の交代で判決の方向性が変わる可能性も

「押し紙」裁判が多発しているなか、東京地裁は、12月1日に、産経新聞の「押し紙」裁判の判決を下す。既報してきたように、この裁判を起こしたのは、千葉県内の元販売店主である。請求額は、約2600万円。

この元店主は、毎日新聞や産経新聞、それに東京新聞などを配達していた。このうち毎日新聞に対して起こした「押し紙」裁判では、元店主が和解勝訴した。推定の和解金額は3500万円である。この和解勝訴を受けて、元店主は新たに産経新聞に対する損害賠償裁判を起こしたのである。

 ■訴状全文

わたしは2018年7月の提訴当時から、この事件を取材しているが、販売店の勝訴が確実視されていた。事実、裁判所は和解を提案し、産経側に一定の和解金を支払うように求めた経緯がある。

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2020年10月05日 (月曜日)

10月22日に第1回口頭弁論、残紙率50%の読売新聞「押し紙」裁判、裁判所は「押し紙」の定義をどう判断するか?

読売新聞・YC門前駅前店の元店主・濱中勇志さんが8月に、読売新聞大阪本社に対して起こした「押し紙」裁判の第1回口頭弁論が10月22日に行われる。日時と場所は次の通りである。

日時:10月22日(木) 13時10分~ 

場所:大阪地裁 本館10階 1007号法廷にて

この裁判で予測される主要な争点としては、次のようなものがある。

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2020年10月04日 (日曜日)

懸念される名誉毀損裁判への影響、忍び寄る組織(家庭)内部への干渉、自民党がリークした事実、杉田議員による「差別発言」の検証②

朝日新聞が、杉田水脈議員の「差別発言」問題を続報した。タイトルは、「『私たちウソついてない』性被害者ら、杉田水脈氏に抗議」。

 自民党の杉田水脈(みお)衆院議員が性暴力の被害者への支援をめぐり「女性はいくらでもウソをつける」と発言した問題で、発言に抗議する「フラワーデモ」が3日夜、東京都内であった。被害を経験した人たちは「私たちはウソをついていない」と声を上げた。■出典

他社も続報記事を掲載している。テレビも続報した。
この問題を通じて、わたしは次の4点を危惧している。

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2020年10月03日 (土曜日)

非「西側メディア」の報道、米国とブラジルで感染者が多い理由

新聞・テレビが流す情報に、バイアスがかかっていることがままある。報道されていない部分や、我田引水に加工されている部分が少なくない。

たとえばコロナウィルスによる感染拡大の報道である。米国やブラジルで感染者の拡大が止まらない事実は伝えているが、その背景に何があるかには言及しない。それを解明するのが本来のジャーナリズムなのだが。その結果、これらの国々で感染者が多いのは、偶然であるかのような世論が形成されている。【続きはウェブマガジン】

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2020年10月02日 (金曜日)

杉田水脈議員の「女性差別」発言、報道検証、リークと誤報に踊らされた市民運動

自民党の杉田水脈議員の「女性差別」発言をめぐる報道は、新聞・テレビの報道姿勢を改めて問うことになった。発端は新聞・テレビの事実上の誤報である。あるいは不正確な報道である。

新聞・テレビは、杉田議員が自民党内の会合で、「女性はいくらでもうそをつけます」と発言したことを、発言全体の文脈を考慮せず、差別発言として一斉報道した。女性というものはいくらでも嘘をつける性質であると摘示したとして、問題視したのだ。

ところが杉田議員が公表した発言全体の趣旨は、報道とは異なり、韓国の国会議員、尹美香(ユン・ミヒャン)氏を念頭に置いたものだった。尹議員は、元従軍慰安婦を支援する市民団体で発覚した不正会計疑惑の当事者として、9月14日に逮捕された。

杉田議員が自分のウエブサイトで公表した説明は次の通りである。一部を引用してみよう。

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2020年10月01日 (木曜日)

新潟日報販売店の元従業員が販売店を提訴、新聞配達中のケガなどで500万円を請求

新潟日報の販売店で働いていた店員が、退職後、販売店に対して勤務時期中に命じられた異動に伴う引っ越しの経費や、新聞配達業務が原因で発症したとされる「両変形性股間関節症」などの治療費など、総額500万円の損害賠償を求める裁判を新潟地裁に起こした。

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2020年09月30日 (水曜日)

前立腺癌患者会が大学関係者80名に事件に関する資料を送付、小線源治療をめぐる滋賀医科大事件

滋賀医科大医学部付属病院の岡本圭生医師による小線源治療が終了して11月末で1年になる。民事裁判は終了して事件は一応の決着をみたが、滋賀県大津署が2件の刑事告訴(容疑者は1件は河内明宏教授、他の1件は被疑者不詳、)を検察に書類送検したこともあって、患者会は攻勢を強めている。

患者会は9月に入って、事件に関する資料を整理してPDFにまとめ、それを滋賀医科大の幹部、診療科長、部長など約80名に送付した。資料は中日新聞・作山哲平記者のルポルタージュ、判決ダイジェスト、MEDIA KOKUSYOの記事などから構成されている。

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2020年09月28日 (月曜日)

新潟日報が露骨な再販制度違反?「学割」を発行して学生向けに新聞の値引き販売、3400円が2000円に

新潟日報が学生向けに新聞購読料の大幅な割引をはじめたことが分かった。同紙の価格は、朝刊が3400円。「朝刊・おとなプラス」のセットは4300円である。

ところが同社は、学生に対しては朝刊を2000円に、「朝刊・おとなプラス」のセット版を2500円に割り引きする。しかし、独禁法の新聞特殊指定は、再販制度の下で新聞の値引き販売を禁止している。

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2020年09月27日 (日曜日)

日大講師の「差別発言」は解雇に値するのか、ヘイトスピーチ解消法の濫用へ

ヘイトスピーチ解消法は、2016年6月3日に施行された。その後、新宿区でデモの出発点として慣行的に使われてきた4つの公園のうち、三カ所の使用が禁止された。新宿区当局が下した決定である。これにより労働運動も負の影響を受けるようになった。

川崎市は、ヘイトスピーチに対して罰金を課す条例を、国に先駆けて制定した。条例が国の法律を飛び越えることはめったにない。

そのほか多くの自治体でも、差別を口実としてさまざまな規制を設けるようになった。ヘイトスピーチ解消法の余波は広がっている。【続きはウエブマガジン】

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2020年09月21日 (月曜日)

朝日新聞が400万部の時代に突入、折込広告の減少がボディーブローに 

FACTAが、『朝日新聞が遂に500万部割れ 実売は「350万部以下」か』と題する記事を掲載している。新聞の衰退が加速していることが改めてクローズアップされた。

朝日新聞のABC部数が、500万部を割った。かつて新聞の発行部数の序列といえば、「読売1000万部」、「朝日800万部」と言われていた。しかし、8月のABC部数で朝日新聞は、「400万部」の時代に入った。今後も、右肩下がりの傾向が続く可能背が極めて高い。

数カ月前から朝日の500万部割れは秒読み段階に入っており、9月にそれが現実となった。最新のABC部数表は、近々に入手して、メディア黒書で公開する。

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