2020年06月29日 (月曜日)
【書評】加藤やすこ著『5Gクライシス』、知っておくべき電磁波による人体影響
遠隔診療、自動運転、防犯、高速のダウンロード。5Gの波が日本にも押し寄せてきた。メディアは5Gをバラ色に描き、電話会社はひたすら無線通信網の公益性をPRしているが、背景にあるのは、かつてのエコノミックアニマル(商社マン)の無法ぶりを連想させる巨大ビジネスの黒い影にほかならない。
利便性追求の裏側には落とし穴がある。5Gで懸念されているのは、無線通信に使われる電磁波による深刻な人体影響である。5Gでは従来の携帯電話で使われてきた電磁波とは比較にならないほど強いエネルギーの電磁波が使われる。それが日本の津々浦々まで生活空間を飛び交うことになる。
基地局も飛躍的に増える。その兆候が浮上して、いま全国各地で基地局の設置をめぐるトラブルが多発している。電話会社による強引な基地局設置が水面下の社会問題になっているのである。総務省も電話会社に便宜を図っている。
本書『5Gクライシス』は、5Gをめぐって今なにが起きているかを具体的な例を示して報告している。たとえば昨年、愛知県の一般道で自動運転の実験をしていて、一般車との衝突事故が起きた。