2017年08月11日 (金曜日)

ジャーナリズムになり得ない ソーシャルメディア(SNS)

メディアについて語るとき、SNSを無視できない状況が生まれている。その影響力は想像以上に大きい。たとえば安倍晋三首相は、SNSにより実質的に再起不能なダメージを受けている。自業自得であるが。

加計学園事件に関するツイッターの投稿をまとめた次のページを見てほしい。

加計学園に関するツィート

安倍内閣やその関係者を批判した投稿が延々と出てくる。これらの投稿が「リツイート」により拡散される。「リツイート」の回数が1000回、時には1万回を超えている投稿も決して少なくない。

毎日、このようなかたちで安倍批判が繰り返されると、ボディーブローのようなダメージを受けて、立ち上がれなくなる。

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2017年08月10日 (木曜日)

写真展『写真家 チェ・ゲバラが見た世界』、遺跡への関心はパブロ・ネルーダの影響か?

『写真家 チェ・ゲバラが見た世界』と題する写真展が東京・目黒区の恵比寿ガーデンプレイスで、27日までの予定で始まった。主催は、テレビ東京とInterFM897。そしてキューバ大使館が後援している。

筆者は、写真家としてのゲバラという認識をまったく持っていなかった。そのためにどんな写真を撮影していたのか好奇心にかられ、写真展の初日にあたる昨日(9日)、会場へ足を運んだ。

結論を先に言えば、まったくの素人が撮った下手くそな写真ばかりだった。チェ・ゲバラは写真家ではない。彼は、革命家であり、文筆家であり、国際主義者である。

このような企画は、実際の中身よりも、権威で物事を評価する傾向がある日本でしか成立しえない。チェ・ゲバラという名前を伏せて、展示された写真だけを見れば、来場者たちは、「なぜこんな平凡な写真が展示されているのか?」と不思議に思うに違いない。

ただ、ゲバラの人間性に関心のある人にとっては、興味深い側面もある。

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2017年08月09日 (水曜日)

朝日のJCJ大賞受賞に異議あり、森友・加計報道は本当に朝日の特ダネなのか

執筆者:吉竹幸則(ジャーナリスト、元朝日新聞記者)

日本ジャーナリスト会議(JCJ)は、今年のJCJ大賞に朝日新聞の森友・加計報道を選んだ。しかし、財務省内部文書の一枚も入手出来ず、腰の引けた朝日報道のどこに「調査報道の成果」があったと言うのか。

授与すべきは、市民の立場で粘り強くデータを集めた疑惑解明の火付け役の木村真豊中市議や森友学園籠池泰典理事長(当時)から数多くの秘密文書を入手した著述家の菅野完氏ではないのだろうか。

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2017年08月08日 (火曜日)

新入閣の中川雅治環境大臣に新聞業界から頻繁に政治献金

第3次安倍内閣の環境大臣に就任した中川雅治参院議が、新聞業界から頻繁に政治献金を受けてきたことをご存じだろうか。直近3年間における政治資金収支報告書によると、献金額の総計は82万円になる。

献金元は、新聞販売店の同業組合である日本新聞販売協会(厳密にいえばその政治団体にあたる日販協政治連盟)である。詳細は次の通りだ。

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2017年08月07日 (月曜日)

新聞労連が新聞奨学生の問題でシンポジウム、「求人パンフレットに書いてあることと、実際の労働実態が異なっている」

新聞労連と新聞通信合同ユニオンは、6日、東京都の文京区内で「新聞奨学生と求人詐欺~改正職安法は学生をまもれるか?」と題するシンポジウムを開いた。新聞奨学生SOSネットワークの村澤潤平代表、新聞労連の加藤健書記次長、それに法政大学の上西充子教授が報告した。

このうち村澤氏は、新聞奨学生が頻繁に直面する最大の問題を、

「求人パンフレットに書いてあることと、実際の労働実態が異なっている」

と、指摘した。

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2017年08月04日 (金曜日)

歴代・検事総長の異常な「天下り」実態、進む腐敗、検察官の職能や士気低下の原因か?

広義の「天下り」問題は、昔からあったが、まったく解決されていない。しかも、事件を処理する立場にいた司法関係の元国家公務員までが、あたりまえのように企業に再就職する実態がいまだにある。これでは、経済事件などは放置されかねないケースが出てくるだろう。日本は学閥や人脈が、「後輩」に対して影響力を持つ前近代的な社会であるからだ。

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2017年08月03日 (木曜日)

安倍夫妻を取り調べない日本の検察の劣化、権力構造の維持をサポートする検察・マスコミ・・・

新しい閣僚の顔ぶれが3日に公式発表される。野田聖子氏ら新閣僚の笑みの中に、「大臣になりたい病」の症状がすでに現れているが、本来、自民党は内閣改造に取り組むどころの場合ではない。

日本が正常な法治国家であれば、検察が職権を行使して、連日、安倍首相夫妻の取り調べを行っているはずである。が、当人の安倍首相は森友事件も加計事件も他人ごとのような顔をしている。

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2017年08月02日 (水曜日)

食費を切りつめてまでNHK記者の高給待遇を支援する義務はあるのか、放送受信契約は「片務契約」、違憲訴訟が必要

NHKが受信料の支払いに応じない家庭(テレビがない家庭も含む)に対して、「すぐに開封いただき内容をご確認ください」と記した封筒をポスティングしていることをご存じだろうか?

封筒には複数の書面が入っている。そこに書かれていることは、HNKは公共放送だから、受信料を支払うことが法律で義務づけられている、支払わなければ、最終的には、「裁判所を通じた法的手続きの実施」を断行するというものである。

これでは学生や母子家庭は、大変な精神的負担を感じるだろう。なかには、自分の食費を切りつめて、なぜ、NHK職員の尋常ではない高給待遇をサポートする義務があるのかと疑問を持つ人も多いのではないか。NHKの記者が、自分の生活を犠牲にしてジャーナリズム活動を展開しているIWJの岩上安身氏のような方ばかりだとしても、特定のメディアを強制するのは押し売りである。

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2017年08月01日 (火曜日)

毎日新聞の2店、「押し紙」70%の決定的証拠、実際の全国総部数は150万部前後か?

読者にとっては、にわかに信じがたい数字かも知れない。ある新聞販売店に搬入される新聞の約70%が「押し紙」だった事実を示す決定的な書面を紹介しよう。毎日新聞の資料で、2007年のものである。10年前には、すでに大量の「押し紙」があった証拠である。

紹介する書面は、毎日新聞の蛍ヶ池店(池田市)と豊中店(豊中市)の2店を経営していた故高屋肇氏からあずかった資料の一部である。

冒頭の書面(次ページ)は、2007年(平成19年)に、高屋氏が蛍ヶ池店と豊中店を廃業した際に、毎日新聞社と交わした書面である。書面に示された部数が、後任者に引き継がれた。

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2017年07月31日 (月曜日)

【動画】「もったいないキャンペーン」の毎日新聞、自らの足下「押し紙」回収現場を撮影される、池上彰氏ら「開かれた新聞委員会」は「押し紙」問題に沈黙

このところ「押し紙」回収の現場がビデオで秘密裏に撮影されるケースが増えている。これは「押し紙」問題が一般市民の間に浸透してきた証にほかならない。インターネット上に、毎日新聞の「押し紙」回収を撮影した画像がアップされている。

メディア黒書で既報したように、毎日新聞の部数は、4月から5月にかけて約4万6000部減っている。このペースで減部数を続けると、年間で約55万部減ることになる。

かつて同社は、「もったいないキャンペーン」を展開しており、「押し紙」問題との矛盾を指摘されてきた。

【参考記事】いよいよ危ない毎日新聞、ひと月で4万6000部減、試算で年間55万部減、産経は1,2年で倒産の危機、5月のABC部数

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2017年07月28日 (金曜日)

ロッキード事件の担当検察官は今、「天下り」が経済事件の公平な捜査・裁判をさまたげる

1976年の7月27日、東京地検特捜部は田中角栄を逮捕した。ロッキード社の航空機売込みに便宜を図った際の贈収賄容疑による逮捕だった。

田中邸へ赴いたのは、松田昇という検察官だった。松田氏は同じ事件でやはり逮捕された児玉誉士夫(元内閣参与で政界フィクサー)の取り調べも行っている。

ロッキード事件の発覚から41年。読者は、松田氏が現在、どのような地位にいるかをご存じだろうか? 結論を言えば、さまざまな企業の役員として再就職しているのだ。元検察官が特定の大企業と特別な関係を持つことが、公正に経済事件を取り締まる際の障害になる可能性が高いことはいうまでもない。

松田氏が関係している企業と役職は次の通りである。なかには不祥事を起こしている会社もある。

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2017年07月27日 (木曜日)

小池都知事を被告に近々に住民訴訟を提起、晴海の選手村建設予定地の払い下げ事件で、五輪スポンサー企業が逆に莫大な利益

東京都が晴海の公有地を約1200億円の値引きをしてディベロパーへ譲渡した問題(晴海事件)で、「晴海選手村土地投げ売りを正す会」は、26日、江東区内で集会を開き、小池百合子都知事を被告とする住民訴訟を起こすことを明らかにした。

請求の趣旨は、この開発事業に関する財務会計行為によって生じた損倍賠償を前知事・桝添要一氏と三井不動産などディベロバー11社に対して請求せよ、というものである。小池知事にそれを求めるものだ。

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2017年07月26日 (水曜日)

内閣府と中央省庁、それに博報堂の裏金づくり疑惑をシミュレーションする、毎日新聞社のケースと類似

裏金づくりは、まれなことなのだろうか。筆者は、水面下に隠れているだけでかなり広く、大手を振って行われていると見ている。特に珍しいことはない。

メディア黒書で報じてきたように、大手広告代理店・博報堂と内閣府・中央省庁の間の取引で発行された請求書には、インボイスナンバーが外してあるものが含まれている。こうした請求書の額面総計は次のようになる。

内閣府:64億円(2012年度~2015年度)
防衛省:(陸上自衛隊):約9億円(2008年~2015年度)
文部科学省:約9000万円(2015年度)
復興庁:2000万円(2015年度)
農林水産省:約300万円(2015年度)
環境省:1000万円(2015年度)

メディア黒書で既に公表している数字で、これを見た読者から次のような質問が寄せられた。それは、これらの金額がすべて裏金になっているのかという質問である。結論を先に言えば、裏金になっている可能性があるのは全額ではなく、一部である。

裏金づくりの構図をシュミレーションで説明する前に、実際に裏金工作の存在が確定したある例を紹介しよう。裏金づくりの構図を考える参考になるだろう。

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